その時々

その時々で違うんです。特に決まっていないんです。

売買秘帖

これは2002年に作成したものです。
現在とだいぶ変わっていると思いますし、画像もどこかにいってしまいました。
消えてしまわないようにここに残しておきます。

株を始めたばかりのいい思い出です。

売買秘帖

われわれが進もうとしている道が正しいかどうかを、

神は前もって教えてはくれない。

             
アインシュタイン



一 株式売買というもの


マーケットへの参加

政治も経済もほとんど知らない私が始めてしまった株式売買。

魅力が満ち溢れ、希望と期待を抱いてはじめたものの、少ない資金で大きなマーケットに立ち向かうことほど

恐ろしいということをまだ分かっていなかった。

マーケットには魔物が潜む。

欲望という魔物が。

いつからだろう、新聞はテレビ欄しか読まなかった私が経済欄に興味を持ち始めたのは。

バラエティやドラマぐらいしか見なかった私が政治・経済のニュースや報道番組に興味を持ち始めたのは。

それは、株式売買という境地に足を踏み入れてしまったからだった。

 

ほんの小さな一投機家が、この広大なマーケットに踏み潰されず生き残っていくには、どうしたらよいのだろう?

投資資金もポケットマネーほど。

そんな少ない資金をマーケットに投入したところで、びくともしない。

聞いた話だが、このマーケットでの勝者はほんの一握りらしい。

この一握りの中に入れる日はくるのだろうか・・・

 

一冊の本

根っからのギャンブル好きの私は、最近スロットの成績も芳しくなく、仕事で稼いだお金を飲み代に使う程度の

平凡な毎日を過ごしていた。

ある日、暇を持て余していて、本屋で片っ端から立ち読みをしていたとき、普段なら行くことのない

株式投資のコーナーに目をやったのだ。

5000円からはじめる「ポケット株」入門(山本信幸/いわたふくみ著 オーエス出版)という本がとても気になった。

5000円という題名に惹かれたのだ。

他にも1万円からはじめる、3万円からはじめるなど色々な本があったが、5000円という金額はその中でも一番低かった。

5000円なら、スロットで1時間もかからず失うことは数多くあった。

その5000円で株式投資が始められるのか?

この時点では、まだ株というものを、ほとんど理解していなかった私は、とても興味が沸いたのだ。

購入し家でゆっくり読んでみると、漫画も載っているためか何故かすらすらと読むことが出来た。

昔から思い立ったらすぐ実行の私は、本を読み終えた時点で証券会社に口座開設の申請をしていた。

DLJディレクト証券に口座を開設したのだ。

ポケット株を取引できる証券会社は、数社しかなかった。

その中からDLJディレクト証券を選んだ。

口座開設の資料を取り寄せるのに3〜4日かかった。

資料を読んで、口座開設の書類を送り、実際に取引できるようになるまで約10日ほどかかった。

さあ、いよいよ取引開始というところまで来たが、株についての知識も取引の方法もよく分からない状態でどうしたらよいのだろう?

そこからある程度勉強しようということになった。

 

株式市場

現時点でも詳しいことは理解できていないかもしれないが、株についての私の知識は少しだが説明しよう。

間違いがあったら指摘してほしい。

 

会社を設立するときにはお金がいる。

その時に必要な資金を準備するには、全て自分の資産から準備する、または銀行から借りるなどあるだろう。

また、株式を発行するという方法もある。

株式を発行すると、多くの人から資金を出してもらうことが出来る。

 

会社は、その株券を持っている人達に1年に数回ごとに配当という形でお金を渡していく。

中には配当のないものもあるが。

また、株主優待というものもついている場合もある。

株主優待は、その会社の商品をもらえたり、割引券をもらえたり、または、遊園地などを経営している会社の

株主になった場合は、入場券などももらえたりする。

また、会社が解散した場合に残った資金を分配してもらえる。

さらに、その企業の業績が上がっていくと株券自体も価値が上がっていき、株主の資産も増えていくのだ。

そのような目的で、将来有望な企業を探して株券を求める人が出てくるのだ。

 

株券を売買することにより利益を得ることもできる。

その株券を買いたい人、売りたい人の需要と供給により、価格自体も動いていく。

当然、株券を買いたい人が多く、売りたい人が少ない場合には、価格は上がる。

売りたい人が多く、買いたい人が少なければ、価格は下がる。

この価格の上昇下降のスピードは、売買する量が多ければ多いほど早くなる。

市場に出回っている株数が少ない場合は、さらに早くなる。

 

発行されている株は、全て売買できるわけではなく、市場に出回っている株が対象となる。

例えば、会社の社長や会長などが発行している株の半数を持っていた場合は、

その株を売ることはめったにないだろう。

何故そのようなことをするかというと、ある会社の一定の株数を持っていると、

その会社の経営権を握ることもできるのだ。

知らない個人に経営権を握られては困るということで、このように手の届く範囲の人たちで株を持っていることがほとんどだ。

最近では、持ち株会社といって、株を持つ専用の会社を別会社として設立して

持ち株会社に経営権を持たせるようにしている所も増えてきたようだ。

 

これら以外の株は市場に出回っていて浮動株と呼ばれている。

この浮動株を売買することにより、キャピタルゲイン(価格差を利用して利益を得る)を目的としている人たちは多い。

その中には、生命・損保・信託銀行等の機関投資家、個人の個人投資家などに分類されるだろう。

機関投資家は資金も大きく、その売買は株価に大きく影響する。

個人投資家の売買も機関投資家ほどではないが影響するだろう。

 

この売買を仲介しているところが、証券会社である。

証券会社も自分で売買の相手を探すのは大変なので、証券取引所というものがある。

全国の投資家からの注文は証券会社を通して証券取引所に集められる。

そして、証券取引所によって注文が執行されるのだ。

証券取引所は東京、大阪、名古屋などにある。

 

証券取引所では、株券を一番高く買いたい人と一番安く売りたい人との取引を成立させていく。

このことを価格優先の原則という。

もし、同じ価格で買いたい、または売りたいという人がいた場合には、早い者勝ちで成立させる。

このことを時間優先の原則という。

 

株式の売買注文を証券会社に出すと、手数料を取られることになる。

この手数料は、各証券会社によって様々だが、ペイオフにより手数料の自由化が行われ格段に安くなってきた。

また、インターネットも普及してきたことも安くなってきた原因だろう。

一昔前は、直接証券会社に足を運ぶか、電話で注文することが一般的だった。

また手数料も、今の何倍も取られていたのだ。

 

証券取引所に株を公開していない会社も多くある。

このような株を未上場株といい、個人での売買はむずかしい。

証券取引所に公開することを上場するといい、上場するには一定の基準をとおらなくてはいけない。

その代わり、上場すると広く知れ渡るため株の流通も盛んになるわけだ。

証券取引所の中でも、東京1部、2部など別れていて、1部にいくほど基準が厳しくなってくる。

 

株式市場は、だいたいこのような仕組みになっている。

もっと、詳しく知りたい方は東京証券取引所を参照されるとよいだろう。