その時々

その時々で違うんです。特に決まっていないんです。

売買秘帖7

七 設定

目的地

到達点は、はっきりとは分からないもの。

それは、生涯たどり着くことはないからである。

生きているうちは、何かに向かって進んでいくべきであり、

時には、休み、しばらくしてまた歩き、見えない未来に向かって進んでいかなくてはならない。

 

晩年になってみて、ここに来るために歩いてきたのだとわかるのだろうか、

私にはまだ分からない。

ただ、途中で止まってしまっては、今まで歩いてきた道はそこで終わりである。

行き止まりだ。

 

人は、この世界に生まれてから死ぬまで、1本の道を歩く。

途中、分岐点があるだろうが、結局は1本の大通りなのだ。

この1本の大通りは、誕生、生きる、そして死である。

全てにおいて複雑な道が入り乱れているが、

晩年になり、振り返ってみれば歩いてきた道は1本だったと分かるのだと思う。

あの時、こうしていれば、また違った人生だっただろうと人はよく振り返るもの。

それは、架空の人生。

実際に歩く道は1本である。

 

到達点は、はっきりとは分からない。

 

もしかしたら、到達点は死なのかもしれない。

到達点を死とするならば、人は何故、死に向かって歩いていくのだろう。

働いて、食べて、寝て、遊んで、喜び、悲しみ生きていく中で、

何のために歩いているのか、何故時は過ぎていくのか、分かってくるのだろうか。

時間という概念が生まれたときに、人は年をとるということを知った。

そして、生きているうちに何をしなければいけないかを考えることも。

 

何をしていても時は過ぎていく。

寝ていても、休んでいても過ぎていくのだ。

そして時を刻むごとに、体感スピードは早くなる。

ゆっくり流れていた物が、だんだん早くなる。

時間というものは、常に一定であるが、体感時間は変わるもの。

限られた時間の中で、あなたはどのような道を歩いていくのだろう?

 

何もせずに、過ごしているとなかなか時は進まない。

そして、どこに辿り着くかも分からない。

まるで、暗闇の中を歩いているよう。

着いたところが、どんなところでも文句は言えない。

自分でそうしたのだから。

 

目的地がはっきりとしたときに、時の流れは急速に進み始める。

それとともに、暗闇に小さな明かりが灯る。

その小さな明かりに向かって進み始める。

 

まずはこの小さな明かりを灯さなくては、いけないのだろう。

 

整え

目標を決めるには、現在の資金・目標資金・期間・勝率・損切り設定・利食い設定・最大損失等を

知らなくてはいけない。

これにより、目標と設定を決めるのだ。

この目標と設定をじっくり決めることは、とても重要だと思う。

難しく考えずに、まずは実践という人は多いのだが、市場は公平ではない。

玄人と素人が入り混じっている。

そして、市場は常に味方ではない。

強い者は、弱い者を喰い、駆け出しの初心者を喰い尽くしていく。

いきなり飛び込んで、つまみ出されるのが目に見えている。

小さな明かりを灯し、そこに向かう途中の様々な困難から自分を守ってくれるのは設定である。

技術以前の問題である。

技術もない、駆け出しの初心者が生き残れるはずはない。

資金が開始資金より少なくなり、その損を取り戻そうと悪戦苦闘している人たちが、

ほとんどではないだろうか。

 

だからといって、失敗は成功するためには必要な経験であり、資金が大きくなってから失敗する前に、

練習のうちに失敗を経験しておいたほうが、後に大きな成果を残すかもしれない。

この辺のバランスが難しい。

 

 

資金

まずは、現在の資金がどれぐらいあるかである。

資金は、最初の練習の内は小さくしておいたほうがいい。

最初の内は、自分の投資法を確立するまでに、損失が出ることのほうが多いだろう。

いきなり、大きな資金ではじめると、後になって取り返すのが大変である。

私の練習では、6万2千円で投資法を固めるまでに、4万円ほどになった。

35%の損失である。

これが、本番であったら、55%も利益を出さなくては、初期投資額に到達できない。

そして、本番になってから、資金を10万円追加した。

現在の資金は14万円である。

他の方からみたら、本当に少しの資金でやっているのだなと馬鹿にされるかもしれないが、

私にとっては、14万円は大きな金額なのだ。

練習での損失を取り戻すのには、14%の利益によりスタート地点へ戻ることができる。

既に、14%の損失から始めなくてはいけない。

 

ここで、難しいのが、資金の追加は昔からご法度とされていることについてだ。

練習で使用していた金額そのままで本番に突入したほうがいいのか、

資金を追加して、損失率を軽減し、本格的にはじめるほうがいいか。

正しい道を行くなら前者の「練習で使用していた金額そのままで本番に突入」だろう。

ということは、練習=本番である。

 

やり方については、もちろん練習=本番でなければいけない。

本番と同じように練習をやらなくてはいけない。

資金については、「始めのうちは小さな資金でやる」と「資金の追加はご法度」がどうもかみ合わない。

 

私は、損失を極力減らすため、「始めのうちは小さな資金でやる」ほうをおすすめしたい。

ただ、資金を追加する場合に気をつけなくてはいけないのは、いきなり大きく増やさないことだ。

これは、スクーター・トラックの法則といわれていて、自分の器量がついていかないのである。

そして、必ず失敗するようだ。

また、一度資金を追加したら、その資金でやっていくというぐらいの心構えでなくてはいけないだろう。

損失が増えてきても、また資金を増やせばいいという考えが出てきてしまうからである。

 

私のように、資金が少ないと不利になることは確かである。

1000万円の資金と10万円の資金で始めた場合、資金の増えるスピードも違う。

また、10万円では、1万円の損失を10回出したら終わりなのに対して、

1000万円なら、1万円の損失でも、1000回も耐えられる。

同じ損失額でも、痛さが全然違うのだ。

コストの面でも、資金が多いと有利である。

 

このようなことを考え、自分にあった資金を用意しなくてはいけない。

 

目標

私が読む本では、株式売買は、よくスポーツやピアノに例えられる。

知っているだけでは、出来ない。

実際に練習を積み重ねて覚えていかなければいけない。

それは、確かにそうである。

 

では、スポーツでは、目標が大事であることにも変わりはない。

目標もなくスポーツをしているのは、所詮遊びなのである。

プロ野球の選手も、プロになるという目標があったからこそ、

プロになり、活躍しているのではないだろうか?

 

私は株式売買においても目標は重要だと考えている。

何も目標も持たず、目先の利益を喜んでいるのは、遊びと変わらないのではないだろうか。

 

目標を決めるには、現在の資金と、目標金額、それと目標達成までの期間、最大損失額で決めるのがいいだろう。

これにより、年間利益目標や月間利益目標など決めることができる。

例えば、資金が100万円で、1億円を目標にしたとする。

達成までの期間が5年で、最大損失が5万円の目標を設定したとしよう。

そうした場合、単純計算で、1年間に、20倍の利益を出さなくてはいけない。

1ヶ月にして、1.67倍も利益を出さなくてはいけないのだ。

しかも、最大損失が5万円だとすると、利益と損失の割合が2000:1である。

これは、無謀に思える。

現在の私の目標は、資金は14万円、10年間で100万円である。

最大損失は、2万円である。

これでいくと、3ヶ月で5%の利益で達成する計算だ。

となると、1ヶ月で約1.67%である。

目標金額までは、7倍ぐらいあるが、1ヶ月で1.67%と考えると、無謀とは言えないのではないだろうか。

 

もちろん、目標達成までの期間より早く到達するのはかまわない。

だが、目標に向かって努力するということが、大事なのだと思う。

目標を持たずに、売買するのと、目標を持って売買するのとでは、最終的にはどちらが結果がでるだろう?

今の段階では、分からない。

 

限られた時間の中で、小さな明かりを目指して進んで行きたい・・・

そこに辿り着くまで、

そして、そこに新しい始まりが待っている。