その時々

その時々で違うんです。特に決まっていないんです。

売買秘帖8

 八 実践

日本式と中国式

日本の空手などには、1級、2級、階級制度が設けられている。

その級の技術を卒業すると、昇級していくようなものだ。

 

中国武術には、そのような階級制度はないはずだ。

基本を教えられ、その基本を地道に練習し、たまに新しい技術を教えられ、またその繰り返し。

 

果たして相場にはどちらのほうがよいのだろうか?

相場においては、階級制度は聞いたこともない。

ということは、中国式をとっているのだろうか。

 

ここで、大事なことは基本の繰り返しというところだ。

 

八極拳の達人に、李書文という人がいる。

李書文は、槍の基本の技、ラン、ナー、チャーという三つだけを反復練習した。

いろいろな、技や型などがあるにもかかわらず、この三つだけを練習したのだ。

そして、後に神槍と呼ばれるようになった。

中国武術には、このようなエピソードがたくさんある。

基本こそ奥義なのだ。

 

相場においても、基本の反復練習は大切なこと。

上達するためには、避けては通れない道。

多くの人は、この基本の反復練習をつまらないからと投げ出してしまう。

難しいやり方を好んでやり、経済がどうだの、なんとか理論によると買いだ、

アナリストの発言がどうのこうの、PERとPBRによると割安だとか・・・

そんなことは、どうだってよいのだ。

 

安くなったら買い、高くなったら売る。

この繰り返しでいいのだ。

何故そんな難しく考えるのだろう。

出来もしないのに、どんどん難しいやり方に進んでいってしまう。

出来もしないのに・・・

 

様々な練習方法

練習方法は、いくつかあるが、自分が続きそうと思う物を選べばいい。

私の選んだ練習方法は、規格化された出発点から始める方法だ。

試行錯誤の末、この練習方法にたどり着いた。

最初の1枚目は、試し玉としているが、試し玉の役割を果たしているのかが、疑問であるが、一応試し玉だ。

どのような出発点かは、ここには書かない。

これは、私のやり方であり、読んだ方に適しているとは限らないからである。

 

そして、三分割買い下がりである。

どのように買い下がるかも書かない。

よく使われるのは、決まった値幅による分割・グラフの形による分割などである。

 

次に、三分割売り上がりで手仕舞いする。

 

やっていることは、これだけである。

 

後は、失敗したときに損切りする方法だが、損切りラインを設定している。

後々、感覚で切るようにしていきたいのだが、なかなか思い切って切ることができないため、

この損切りラインが、最終ラインとなっている。

 

また、この損切りラインは、株価が上がったら、切り上がっていくような物を使用している。

株価が下がったら、切り下がることはない。

これは、株価が上がっていき、なかなか手仕舞いを戸惑っているうちに株価が下がってしまい。

結局、スタート地点での損切りラインまでいってしまい、後悔するのを防ぐことができる利点を持っている。

株価が上がれば上がるほど、損切りラインに引っかかっても、利益が出ているからだ。

 

あとは、その損切りラインの上のほうで、自分の感覚を頼りに、売買していくのである。

この練習方法を始めて間もないため結果は、なんとも言えないが、後はひたすら反復練習である。

 

実践してみて

いろいろなことを知ることは、いいことかもしれないが、正しいひとつのやり方さえ知ってしまえば、

後は、しばらく遮断するほうがよいかもしれない。

これは、実践してみて思ったことである。

 

どうしても、勉強ばかりして、いろいろなことを知ろうとすればするほど、知識偏重になりやすい。

基本の練習なのに、余分な知識が邪魔をするのだ。

 

私も、細かいことまで知ろうとしすぎていたのかもしれない。

勉強してきたことが、思うようにいかないことを知るのである。

基本の練習では、本当に基本だけでよいのである。

 

実践により、経験していくのであり、実践により、知っていくのだ。

心理的な部分も、技術的な部分も。

自分の資金で、自分の判断で、実践してこそ、練習なのである。

 

思うようにいかない

本当に簡単なことでも、実際の相場でやってみようとしても、とても難しくなってしまう。

ここでこうして、こうなったらああしてと、頭では分かっていても、相場が言うことを聞かないのである。

こうなったらというところまで、相場が動いてくれない。

では、どうやったらいいか?

手仕舞いする、じっと待つ、どうすれば・・・

これには答えはないのである。

どうするかは、その時に自分で判断しなければいけない。

他人に聞いても、雑音となるだけである。

玉を建ててから、現在までの経過の心理、行動など他人には、分かるはずもない。

客観的に、こうしたほうがいいだろうと言っているだけである。

もし、上手くいかなかったら?

それは、知らない、自己責任と言われてヨシである。

ましてや、こちらから聞かずともこういったアドバイスが来る場合もある。

こういった場合、人間弱いもので、迷ってしまうものだ。

判断が鈍るだけでなく、失敗した場合に、アドバイスした人の性にしてしまいがちだ。

売買は、自分の判断で、自分の思うようにやればいいのであって、人に意見を聞く物ではないと分かってきた。

 

少なからず役に立つこと

それは、日頃の売買の感じたことや、考え、玉建ての理由などをメモしていくことだ。

一度の過ちは、書籍や、アドバイスからは、得られない貴重な勉強となる。

そして、そのときの考えを忘れてしまい、また同じ過ちを犯してしまうのはどうしてだろう?

 

過去の売買の時点での、感じたことや、考えなどは、忘れてしまっているからである。

そして、同じ過ちを犯してから、あの時は、次はしないでおこうと思ったのに・・・

となってしまう。

このメモを、たまに読み返すだけでも、とても役に立つだろう。