初心者脱皮への道3
市場のしくみ
まず頭に入れておかなければならないことがあります。
市場のしくみについてです。
現在の東京証券取引所では1日で6000億近くのお金が動きます。
もっと多いときもあれば、少ないときもあるのですが、6000億としておきましょう。
そのお金は、どこから出てくるのでしょう?
・・・そうです、みなさんのお財布の中から出て行っているのです。
機関投資家や、年金、生保などの資金も、結局の出所は、みなさんのお財布の中からなのです。
イメージとしては、カジノのルーレットを思い描いてください。
プレイヤーが場にチップを出す。
勝った人がもらい、負けた人はもってかれる。
市場とは、そんなようなものです。
そのゲームが毎日のように莫大な資金で行われていると思ってください。
ですから、ゼロサムゲームのようにも思われがちです。
ゼロサムゲームとは、親がいて、子がいて、親が勝てば、親が場のお金をすべてもらい、子が勝てば場のお金をすべてもらえるといったようなものです。
ですから、勝率が50%なら何回もやれば、結局は五分五分というただ疲れるだけのゲームです・・・
といっても、何回も続けばの話ですが。
株式市場は、そのゼロサムゲームよりもっと過酷なゲームです。
マイナスサムゲームなのです。
それはどういったことでしょうか?
場に出したお金を親と子、以外にも奪っていくところがあるのです。
それはどこでしょうか?
実は、あなたのパートナーの証券会社なのです。
そして、あなたの住んでいるお国なのです。
株を1万円で買った、そして2万円で売った。
このときにあなたの手元に残る利益は、1万円ではなく、手数料と税金を差し引いた額になるのです。
もう少し詳しく説明すると、手数料が片道1%、所得税が15%、住民税が5%だったら、
1万円 −200円(手数料) −10円(手数料の消費税) −1500円(所得税) −500円(住民税) = 7790円
簡単に計算してみると、7790円しか手元に残らないのです。
2210円が無条件で持っていかれるのです。
これが、100万円だったら、22万1千円も持っていかれるのです。
こんな不利なゲームで勝てると思いますか?
それが株式市場なのです。
市場でみんなが追い求めている株価というものは、実際には実体のないものであり、欲望の塊といってもいいでしょう。
みんな安く買いたがり、高く売りたがる。
そうこうしているうちに勝手に株価は動いていくのです。
はっきりいって、競争です。
生き残ることが出来ない人は、次々と市場から離れていき、また新しい人がやってきて、また消えていく。
トーナメントのようなものです。
そんな株式市場で、あなたは、生き残れる自信はありますか?